

(1)組織・制度改編
- 大規模災害のたびに問題となる初動段階の対応を改善し、発災後1週間以内に、最低限の物資等を確保することを国の指針として定めます。
- 災害後の対応を検証するワーキンググループには災害現場の首長などを中心に選定し、次の災害現場で即実行可能な提言を策定します。
- 感染症の対応にあたる「日本版CDC」を首都圏と関西圏に1か所ずつ整備し、感染症対策を万全に行います。(再掲)
- 道州制の理念の下、隣接都道府県では情報や医療資源の共有化をはかるなど、相互補助できる体制を構築します。(再掲)
(2)発災対応
- 防災無線が豪雨の際に聞き取れない事態を未然に防ぐため、「地域FM」「 SNS・エリアメール」「テレビ速報」等の様々なツールを活用した情報の伝達のさらなる充実を図ります。
- 災害時の自衛隊の役割・優先順位が不明確なことで大きな負担が生じていることから、活動の優先順位は①救難・救命②救助③捜索活動④生活支援であることを明確化した指針を策定し、自衛隊による救助活動を効率的に進めます 。
(3)防災
- 災害時の倒木や倒れた電柱の撤去作業において、自治体が所有者を問わず復旧作業できるよう各事業者と協定を結ぶモデル制度(和歌山モデル)を全国の自治体に促進します。
- 市民、ボランティア、行政、自衛隊などの力を結集し、被災者のために一丸となって災害廃棄物等の撤去を行うモデル制度(ONE NAGANO)の導入を促進します。
- 土砂災害を誘発する放置人工林を自然林に戻すべく、間伐と広葉樹の植栽を推進します。
- 特に高度成長期以降に整備したインフラの老朽化対策について、AIやIoTなどデジタル技術の活用によるメンテナンスの高度化・効率化を推進するとともに、インフラの集約や不要な施設の撤廃を進めます。
- 非常用電源のための燃料備蓄をより一層促すとともに、備蓄された燃料の品質劣化に対応するため、適切なチェック体制の整備と燃料入れ替え支援を行い、非常時に停電しない環境を整備します。
(4)避難所
- 避難所のプライバシーや衛生面での環境を改善し、医療関係者などの専門家との連携によるサポート体制を構築した、安らげる避難体制を整備します。
- 多くの人々が緊急時でもペットとの共存に生きがいを感じていることに鑑み、災害時のペットとの共存・同行避難について明確な指針を策定します。
- 日本に滞在する外国人に考慮し、災害時の行政からの情報発信や避難所における多言語対応を充実させます。
(5)復興支援
- 震災から 10年を迎えた東日本大震災の復興政策においては、巨大なコンクリート防波堤などに代表されるハード整備に留まらず、ソフト重視の復興支援策を継続・推進します。
- 災害廃棄物を被災した自治体のみで処理することが困難な場合に備え、広域自治体間の協力体制の構築を促進し、被災地以外の自治体が引き受ける場合の交付金を創設します。
- 災害時の「全壊・半壊」認定において、外形的基準による判定の結果、多くの住民への補償が不十分であることに鑑み、その基準を見直して災害後の住民生活を十分に支える制度を構築します。

(1)原子力政策
- 東日本大震災の教訓を踏まえ、既設原発は市場原理の下でフェードアウトを目指し、国内発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を拡大させます。
- 東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原発の再稼働に係る国の責任を明確化するとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分等に係る必要な手続きを明確化するため、①原発の稼働に当たっての政治主導の明確化、② 避難計画への規制委関与の法定、③原子力損害に係る国負担の明確化、④最終処分施設等の確実な整備のための手続き法制の整備を柱とする「原発改革推進法案」の制定を行います。
- 廃炉技術の伝承と使用済み核燃料の有毒性低減のため、小型高速炉など次世代原子炉の研究を強化・継続します。
- 東電福島第一原発事故の収束は国家プロジェクトとして国が一層の責任を持ち、東電任せにせず世界から技術と人材を集めて対応します。
- 福島第一原発の敷地内に残存する原発処理水は、科学的根拠と国際ルールに則り海洋放出を決断します。その際、周辺地域の風評被害の払拭に最大限配慮をするとともに、協力自治体を募り福島県外での海洋放出を併せて検討します。
- 除染廃棄物を30年以内に福島県外に撤去するという、実現が見通せない目標を見直し、科学的根拠を踏まえた上で実行可能な処理のロードマップを策定します。
- 原発事故と甲状腺がん罹患は因果関係が認められなかった調査結果に鑑み、一斉検査のデメリットが大きい福島県民への甲状腺検査は希望者のみとし、過剰診断と風評による負の影響を無くします。
- 海外から根強く残る原発周辺地域への懸念に対しては、地域や農作物等の安全性を多言語で全世界に繰り返し発信し、風評被害を根絶します。
(2)エネルギー源の多様化
- 政策課題が複数の省庁にまたがるエネルギー政策については、エネルギー政策基本法に基づく基本計画の策定段階から省庁横断的な組織で議論を進めるなど、縦割り行政を脱して一貫性・戦略性のある政策決定を行います。
- 電力自由化を一層推進させるため、送電系統への接続の平等、電力の市場取引の拡大、再生可能エネルギーやコジェネレーション(熱電併給)等の導入を促進します。
- 発電会社が持っている設備能力 (容量・kW)を売買する「容量市場」のあり方については、古い石炭火力発電所や既存原発の温存につながることから、抜本的な見直しを行います。
- 経済成長を維持しながら、エネルギー消費による環境汚染が減少する社会を実現するため、グリーンエネルギーを推進し「脱炭素社会」の実現を目指します。
- 地方経済の活性化には、風力発電、地熱、バイオマス等の自然エネルギー産業も有力な産業との観点から地方創生に取り組みます。
- 水素エネルギーは出力不安定な自然エネルギーの貯蔵手段および環境汚染の少ないクリーンエネルギーであることから、その利活用を積極的に推進します。
- 海洋資源の開発と実用化を推進し、国産エネルギーの有力候補と位置付け、「資源大国日本」を目指します。
- 宇宙資源の平和利用に向けた研究開発を進めるとともに、関連する法律を整備し、国際的な協定の策定を目指します。
(3)環境
- 2050年カーボンニュートラル 、 2030年温室ガス 46%削減目標に向けては、過度な規制が産業流出を招かないよう十分に配慮しつつ、新たな投資を呼び込み、目標達成に不可欠な技術革新と雇用創出を実現します。
- 諸外国で議論が進むカーボンプライシングについては、炭素税だけでなく排出権取引など市場原理を活かした排出量規制のあり方を積極的に検討し、主体的に国際ルールの策定に携わります。
- 深刻化する海洋汚染や温暖化の要因とされるプラスチックゴミの削減に向けて、分別や廃棄方法のあり方を適切に見直すなど、処理技術の現状や科学的エビデンスに基づいた対策を進めます。
- 環境対策として開始されたレジ袋有料化の政策効果をよく検証し、さらなるプラスチック製品の有料義務化については、事業者や消費者に安易に負担が転嫁されないよう他の代替手段と合わせて慎重な検討を行います。
- 建設発生土の不適正な処理を背景に大規模な崩落事故が多発していることを踏まえ、適正処理を推進するための法整備に取り組みます。